友人の@miyayuki7が出した『かわいいウルフ』という同人誌に本名で寄稿した.
本書は、20世紀の作家ヴァージニア・ウルフを特集した本です。
フェミニストで、レズビアンで、難しい小説を書いた人。本書ではそうした大きな枠組みからウルフを捉えるのではなく、〈かわいい〉という主観的なイメージに着目しました。〈かわいい〉とは、彼女ならではのユーモアや残酷さであり、揺れる乙女の心であり、生をひたすらに追求する明るさです。またたくさんの方に彼女のテキストに向き合っていただき、〈かわいい〉だけではない、人それぞれのウルフ観を明らかにしようと試みました。
その結果、本書の内容はエッセイ、インタビュー、テキスト分析、音楽、料理、創作、翻訳、まんが、イラストと、多岐にわたるものになりました。ウルフの作品を愛読する人から、全く知らない人まで。文芸を愛する、読者の皆様に届きますように。
オタク文化に近いところにいながら,同人誌を作ることはおろか読むこともなく暮らしてきて, また文芸についても同様に,教養レベルの作品にすら十分に触れずにここまで来てしまった. 友人がなにか同人誌を作るというので,依頼を引き受けたが......というのが,同人誌に書いた内容.
友人が何かをするというときに,できる限りフォロワーシップを発揮したいと思っていて, また@miyayuki7のこれまでのいくつかの取り組みはまさしく「ティーパーティ」のような場を作ることであると認識していて,またそのような活動をこれからも続けてほしいと思っていたため, これは乗らずにはいれないなと思ったのだった. と,偉そうなことを言いながらも,若干苦労したところはあって,最初に提示されたふわっとした締切は突き抜けてしまったはず.お手数をおかけしました.
ちなみに原稿のボツ案としては,読んだ記録を会社で書いてる日報のように書いていくとか(「誰がこんなもの読んで面白いんだ」と思った), 別の友人*1と会っていたときに話したウルフの小説中の表現の話題と, そこから転じて,「どうも私は小説を読むときは,登場人物を記号に置き換えてるのでは」という話や,並行して読んでたSFのテッド・チャン『あなたの人生の物語』との比較とか(この辺は引き出しがないわけではないのだが,専門家ではないためなかなか不誠実なことを書きそうだし,求められてる文字数をオーバーする危険性があった),そういうことを考えていた.
連休中に開催された編集者+寄稿者数名の打ち上げに参加したときに,出来上がったものを頂いたのだが, 自分の書いた箇所と数名の友人の箇所は当日とりあえず眺めて,それ以外の方の文章は(比較して自分の原稿の出来に絶望するのが怖くて)まだ読めてないという. おいおい読むことにします.
通販サイトのboothでは現時点で残り1冊という状況のため, 告知サイトにかかれているリアル書店を訪れるか,増刷されるようなのでその時まで待って通販サイトのboothで購入するのがよさそう.
売り出してからのワイワイしている感じは,なかなか良い.いい企画に参加させてもらったなぁ.
- 作者: ヴァージニアウルフ,Virginia Woolf,川本静子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1999/08
- メディア: 単行本
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- 作者: テッドチャン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/30
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*1:どうもウルフのことは知ってて何冊か読んでる感じだった