ふんわり放牧

個人の日記です

スプラトゥーン3が残念という記事を読んで思ったこと

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我が家では、Nintendo Switchスプラトゥーン3というゲームが流行っていて、この1ヶ月くらいほぼ毎日起動して遊んでいるという感じ。 オンラインで遊ぶゲームで、イカやタコのキャラクターを操作して、4人1チームで相手チームと対戦し、殺傷能力のあるインクを撃ち合ったり、地面を塗ったりする。 共通の敵を倒すモードもある。TPSとかシューターとか呼ばれるジャンル。

上の記事は、同じNintendo Switchというハードウェアで、スプラトゥーン2という前作もあり、 またゲーム性がそこまで変わっていないため、メジャーバージョンアップでいいじゃないかという主張。 言いたいことはわかると思いつつも、自分はそこまでは言わないかなと思った。

オンラインゲームで重要なのはプレイヤー数という認識があって、続編を発売したことによりプレイヤー数が増加するメリットはあっただろうと思う。 オンラインゲームで十分にプレイヤーがいないと、素早くゲームが開始せず、画面の前で待ち続ける必要が出てくる。 実は現在でも前作には普通にプレイできるだけのプレイヤー数がいる。 私が前作を始めたのは2020年で、ゲームのライフサイクルとしてはかなり後の方。 オンラインゲームは定期的にイベントを行って、普段とは違うゲームルールや特別の報酬を得ることができるというのが定石なのだろうが、 2020年はもう定期的なイベントはなく、散発的に起きたイベントに1,2回くらい参加できたくらいの感じだった。 友人たちに「今から始めても、強い人ばかりでは」と言われてたことが印象に残ってて、 実際はそんなことを意識することなく、ランクマッチでも弱い人がいて、初めてのシュータージャンルとして遊べてよかったなぁみたいなことを思っていた。

スプラトゥーン3を買ってやってみたところ、今は慣れてない人が多く、まだ知見が溜まっていないからか、 弱い人が本当に弱くて、しかもしっかりと弱い人達の層が厚くて、なるほどこれが発売直後なのか〜と納得してしまったのだった*1。 ここまで弱い人達がいて、強い人のほうが人数も少ないだろうと考えた場合、より多くの人数のプレイヤーが遊んでいると思うに至った。

したがって、前作をメジャーアップデートしただけでは戻ってこなかった・新規参入しなかった人たちが大量にいると思っていて、 続編発売がプレイヤー数に寄与しているだろうと思うのだった。

他のオンラインゲームでは、装備や経験値が一切なくなってしまう「ワイプ」と呼ばれるイベントを運営者が起こすことがあって、 これのおかげで人々が心機一転やる気になったり、新しい人と古い人での装備の差が是正されるなどポジティブな要因もあるらしい。 同じゲームシステムでの新作の発売はワイプに近いものがあると思っていて、 私も今作で登場した新しい装備を一式集めるために、延々とプレイしていたが、 それでは前作をゲームとして延々とやりたいかというと、報酬は既にほぼないため、やる気にならなかっただろうなと思っている。

また、別の観点として運営側の機能改善のやりやすさというのはあるだろうなというのを感じている。 ここ数ヶ月、私も仕事でサービスを運営しながら改善活動をしているのだけれど、 動かしながら改善をしていくことのリアルさ・難しさは本当に感じていて、 オンラインゲームも利用者が常にいる状態であるため、大きな改善や機能追加を差し込むことは(それでもやらなくてはならないのだが)無理に近いだろうと思う。 そして、もともと入れるつもりで考えていた大きな機能はまだ心づもりがあるだけよいのだが、ちょっとした小さい機能ながらも広く影響範囲があるものについては、 なかなか優先順位が上がらなかったり、影響が大きすぎるからと後回しになったりするということもあるのだろうな、とか、 基礎工事として間に合わせるためにちょっと無理して作ったところが、基礎工事であるがゆえにその上に手を入れることが難しくなってしまった、とか。 そのような感じで機能の大小問わずずっとアップデートしていくことよりも、可能であれば新しいバージョンを作っていくほうが、 結局は楽、そういうことはあるんじゃないかなと自分の実体験に照らし合わせて、思うようになったのだった。

セカンドシステム症候群という言葉があって、2回目に作られるシステムは、1回目の反省やできなかったことを詰め込むため、不格好なものが出来てしまうという。 スプラトゥーンは1作目と2作目が異なるハードウェアであるため、今作が3回目に作られたシステムと言い切っていいのかわかっていないところもあるのだけれど、 セカンドシステム症候群について語った方は、3回目以降についてはポジティブな立場であるため、スプラトゥーン3もそうであればいいなと思った。

ウェブメディアはPV数が命だろうので、ちょっと雑に批判的なことをを主張するくらいが、 いろいろな人が丁度いいツッコミを入れてくれたほうが稼げる、そういう側面はあるだろうなと思いつつ、 私もつい釣られてしまったのだった。

*1:このゲームは強くならなくても勝利に貢献でき、なんとなく楽しいという状態が作れるので、弱い層の人達が不幸かと言うと全然そんなことないのだけれど