ふんわり放牧

個人の日記です

日本UNIXユーザ会2016年度定期総会併設勉強会「Unix考古学の夕べ」に参加した

銀座松竹スクエアのドワンゴで開催された,日本UNIXユーザ会の併設勉強会に参加した. 友人の一人がこの会に関わっているので,招待していただいた.

日本UNIXユーザ会2016年度定期総会併設勉強会「Unix考古学の夕べ」 - 日本UNIXユーザ会 | Doorkeeper

テーマは「Unix考古学」. Unixに関する歴史的な話題が聞けるかと思って行ったら,Multicsの話を聞いていた気がする. MulticsUnixMulticsに対しての命名だったということくらいしか知らなかったので, 単語分割はできるが未知語が多い他分野の発表を聴くという感じになってしまった.

それではまったく関心がないかというと,そんなことはないと思っていて, これでも計算機屋の末席を汚しているので,計算機屋として国内外の歴史については意識はしてしまうし, ベイエリアに出張で訪れた際も,UC Berkeley や Computer History Museum に訪れるくらいにはミーハーのつもりだったのだが, しかし,その時代を生きていないことや,その時代の計算機を触ってるわけでもないので, どうしても中途半端なものになるということを実感した. 他の参加者が特にメモを参照せずとも,記憶から引っ張り出せるところは凄まじいなと思う.

講演の後に行われた座談会では, 国内の計算機や計算機メーカの話題,当時の大学での話などで盛り上がっていた. ここでも発言することはできず,残念...... この時は既に(半分冗談だが)社会学者の気持ちになっていて, 自分の知らないコミュニティにおじゃまするという気分だった.

入社以来,40歳前後から年上の元マイコン少年少女と話すと,私の知らない言語やマシンの名前が出てきて 「どうしてこの人達は自分の使ってない計算機についても,ここまで詳しく覚えているのだろう」と不思議に思いながら, その都度Wikipediaで調べるということを繰り返し,自分の頭のなかでまったく年表ができていないことに愕然とするのだが, 時間軸・ラインナップの軸それぞれについて,問題空間の広さが同定できてないことが原因なのではないかと思ったりした. 「今時の若者は○○も知らななくて,けしからん」と非難されることはなく,むしろ喜々として説明する方が多いので, 話についていけなくて申し訳ないなと思うのだけれども, 昔の環境に関する好事家でもなければ,その時代を生きてないのだから仕方ないと割り切っているところもある.

本会,平成生まれは見たところ1名のみという感じだったが, 年齢は特に関係なく,会場は情報系勉強会の雰囲気そのものなので,特に気にならなかったという感じ. まぁ知識量や経験ではまったく敵いませんが......

懇親会,昨日の会も2次会まで参加してしまったのでどうしようか迷ったのだけれど, 「学生は行くべき」とか言ってる人間が,初めてのコミュニティで尻込みしてるのもどうかと思ったので参加することに. 結果としては面白い話が聞けたし,こちらもそれなりに話をした気になり,気分よく帰ることができた.

ICSE 2016 勉強会に参加した

表題の通り,大岡山の東京工業大学(東京会場)で開催された,ICSE 2016 勉強会に参加した. 国際会議のICSEの論文を1本2.5分で発表する会.

私はSoftware Quality のセッションの紹介をしたが, 私がまだまだ重要な事とそうでないことの区別がついてないようで,時間も2.5分の制限がありと, かなり焦って発表してしまった. まだまだ精進が足りないなとは思いながらも, 重要だと感じたところはきっちり詰め込んだつもりなので,研究者や実務家の方が読むきっかけになればと思う.

当日は,大学院同期とのチャット,TwitterのTL,会社のチャットや感想メモのスプレッドシートを並列して書いていたため, 最後の方はかなり疲れてしまった. おかげで値落ちで聴き逃しは一件もないが,集中できなかった論文はいくつかあった.

一緒に参加した同僚とは,どのような態度で論文を読むかという話をしたし, @katryo さんとは昼食時に,いくつか興味深い話を聞くことができた. 懇親会では,大学の先生方や企業で研究や開発をされている方々と様々な話ができたのも良かった. アルコールを飲まなくてもいいので,学生の方にはぜひ懇親会に参加することをおすすめしたい.

昨年はサボっていて参加できなかったので,「今年は必ず」と思っていたことが達成できてよかったし,来年も発表したい. また,本発表を元に,来月に日本マイクロソフト様で開催予定のsigpxで何か話ができればと思う.

社でやってたイベントに参加した

概要

社でやってた勉強会的イベントに参加した. 社内であったことは基本的に書かないことにしているけれど, いろいろと思うところがあったので書いておく. 当然ながら以下の文章は個人の意見であり,組織を代表するものではなく,責任は私にある.

本社の改善的なアクティビティを主務にしている部署が主催で, 外部の講演者を呼んで講演やパネルディスカッションをした. マウンテンビューの方や松江の方,二子玉川の方,あとは西新宿の方などがいらしていたし, 会社からもLinuxやOpenStack関係の開発者やマネージャが発表していた.

会社の人,会社自体は大きい会社だけれど,目立つ人は目立つというか, 有名な人は有名だな(Twitterにおけるフォロワー数が多いとかそういう指標はないのだけれど)ということを思う.

当日の内容

テーマはオープンソースソフトウェア (OSS)で,「それ,何回目の話やねん」「今更遅すぎるのでは?」ということを思うわけだが, 社の抱える問題として,製品・サービス開発にOSSを利用し,サービスとして提供できている部署や人たちがいる反面, OSSに否定的ではないにしても,どう関わればいいのかわからない開発者が多いという問題がある. Web業界の人が聞くと驚くだろうが, これは別に弊社に限った問題ではなく,同じ業界の友人からも聞く話題で, こういうふうな社内外での勉強会を開催したり, いくつかのOSSコミュニティは,コントリビューションに関する手ほどきの会を提供しているのだろう.

松江の人の基調講演的なものは,どこの発表よりもプリミティブなものだったし, パネルディスカッションもなかなか面白かったと思う.

いくつか思ったこと

話をややこしくさせていると感じたことの一つに, 「OSSの問題」と言い切るのは簡単なのだけれど,実はOSSの問題ではない問題もあると思っている. 今回もそもそもの主題や問題提起がふわっとしていたこともあって, 登壇者(パネルディスカッションのファシリテーターも含む)は非常に苦労したのだろうなと思う. もっとも,組織や人間の抱える問題は単純ではないと私は考えており, その問題について,きちんと考える時間や発表する責任を持っていない人が,いきなり表現できることではないと思っている.

講演者の誰かが言ってた「好きなことをやろう」「仲間を集めよう」的なのは,最近非常に思うところで, 言語を作るときや巨大なOSSに取り組むときにどうやって(ゆるやか・組織の壁を超えた)にチームができていったかというのは, 面白かった.

勉強会に対してアグレッシブな人たちについて「こういう場に集まる人達」という言葉を言う人がいるけれど, たまに面白げな会に集まる人たちと,何があっても絶対来ない人がいる気がしていて. 私も学生時代から,忙しくなるとミーティングやTalkに行かなくなる傾向がある.

「直接的に良いことがないと,勉強会に行かなくなる現象」は短期的には仕事が進んで良いが, 長期的には自分にマイナスになる不安がある. 勉強会,「友達に会いに行く」というところに焦点を当てると「行きたくねぇなぁ」みたいな気持ちは晴れるのだろうか.

とある,社の人は「会社の枠組みに乗ってしまうと,面白くなくなるので,枠組みがないところで遊ぶのがよい」と言っていて, いろいろな考え方があるなと思ったことを思い出す.

講演者の都合上,英語発表やディスカッションもあったのだけれど, どうも日本語話者の発表はテンポが悪い感じが否めなくて, 言語の問題もあるし,お作法の問題もあるなということを思った.

しかし,英語話者が英語を使ってディスカッションをしていても, お互いのバックグラウンドの探り合いをしていたり,当たり前のことを話し合うシーンもあるので, 人間が発話において交換できる情報量というのは,限界があるのではないかなと思ったりもする.

おわりに

なかなか面白みのあるイベントだったのだが,自分自身がどう関わればいいかわからないところもあった. この話を社内に投稿しても良かったけれど,別に問題がある話はないし,ここに書いておく.

こういうのは,何も言わずに帰るのが最悪で, 一応質問をして場には貢献したつもりになっているけれど, コミュニケーションを自分から起こす気にならず. どうしても講演者と聴講者みたいな感じになってしまうのが残念.

あの会場,椅子が悪いのはなんとかならんもんかな.

ICSE 2016 勉強会に参加する予定

International Conference on Software Engineering (ICSE) というソフトウェア工学分野の国際会議がある. そこで発表された研究論文を読んで発表する会が今年も行われるようで, 会社の人が参加者を募っていた. この会,うちの部署では若者が発表すべきという雰囲気がなんとなくあるため,なんとか都合をつけて発表したい.

この会,聴講するだけならふらりと行くだけで良く, 会場も東京だけでなく名古屋・大阪・福岡といくつも会場がわかれているので,参加もしやすい. この分野に興味があるなら,ちょっとしたビジネスセミナーや偉い人の講演よりも面白いかもしれない.

研究室・会社(研究グループ)ごとにセッションが割り振られるため, 自分の興味以外の論文を引く可能性もある. 事前に興味のあるタイトルだけリストアップしていたので,Spreadsheetに転記した.

ICSEが開催されていた時期は研究者のTwitterの投稿も盛んで,一度でいいから行ってみたい,と思った. という話を,海外の研究者にしたところ「いつかじゃなくて,必ず!」というようなツッコミを受けるのも,お約束になり始めている.

SANER 2016に参加した

23rd IEEE International Conference on Software Analysis, Evolution, and Reengineering (SANER 2016) という国際会議に参加した. 開催場所は,大阪の吹田市大阪大学吹田キャンパス. 国内で行われる国際会議ということで,出張として参加した.

今回は純粋な聴講として参加したのだけれど, 目立つ人は,参加者やsession chairから,名前で読んでもらえる (名前を覚えてもらえる)というのが印象に残っている.