福岡市博多区にあるリファレンス駅東ビルで開催された、福岡Rubyist会議04に参加した。 地域Ruby会議に参加したのは久々。
ここは個人の日記なので(運営的に)痛いことも好き勝手書くんだけれど、定員に対して空きがそこそこあったようで、関東から参加した立場から言うと「本当、みんな行けばよかったのに」となった。
なぜ、そう思ったか。 一つはRubyという言語を知らなくても、それなりにプログラミングをしたことがある人なら楽しめる内容が多かったから。 もう一つは、Rubyという言語を知っていたら更に楽しめること請け合いという内容だったから。
プログラミング言語の構文解析器やコンパイラに関する発表が多かった。「ドラゴンブック読書会」なる会の成果発表という文脈もあったようで*1、そのような内容になってしまったのだと想像する。 コンピュータサイエンスのなかでも、プログラミング言語に関わるものは硬派な印象があるし、Webアプリケーションや業務システムを普通に作っていると、意識しなくてもいいものの筆頭だろう。 RubyKaigiや界隈で話される(構文解析器のような)題材のとっつきづらさやその発表の価値については、これまでもめちゃくちゃ話されてるだろうから、ここで私が書くことはないんだけれど、 題材がプログラミング言語ネタにぎゅっと絞られることで、会のしまりがよかった*2と思うし、なにより皆さんの発表がめちゃくちゃわかりやすかったんだよな。
特にClosing Keynote の kanekoさんの話が、めちゃくちゃわかりやすかった。この題材かつこの時間を踏まえると、ここまでわかりやすい発表はなかなかない。 そして、これ、参加してない人が公開されたスライドだけ見て、どこまで我々が現場で受けた納得感みたいなのが受けれるのだろうかという。
これまで彼の発表を聞いたことがある方が仰ってたけど、 今回はよりKeynoteらしかったというか、「置いてきぼり」にされない内容であったとのこと*3。
また、私もこれまでなんとなくWeb上に流れていた彼のスライドは見たことあったのだけれど、 適当に読んでたときとは印象がガラリと変わったし、それは今回のKeynoteであったからということもありそうだし、 自分の特性として、直接情報を得ないとなかなか価値の把握が苦手だからということもありそう。
追ってなかったアーティストをライブ会場でたまたま聞いてファンになる、そういう側面のある発表だったと思う。
ツールの話をしているようで「言語とはなにか」「文法とはなにか」ということを巡り巡って意識が向いてしまうことと、その大きな流れを成果としてまとめていく営みは、 大学院時代の先輩方が博士課程で悩まれていた様子を思い出してしまったし、その大変さは決して誰もが到達できるわけでもなく、容易ではない道であるという認識であるため、グッと来るものがあった。 私自身、◯◯器と呼ばれるようなツール開発に取り組もうとした過去があり、また大学教員からは「◯◯器は処理の手前にあるのだから、非常に大切なことである」というコメントをもらったこともあったなと。
「Rubyを知らなくても楽しめた」というのは、プログラミング言語の構文解析器の話題はRubyに限った話題ではない一般的な話として聞くことができるからだし、 「Rubyを知ってたらさらに楽しめた」というのは、言語開発の営みのレベル感を知るというか、自分たちの使っているツールがどのようになっているかを知ることができるからだと考えている。
懇親会もよかった。 RubyKaigiでは、Rubyコミッターがそのへんを歩いているという話をよくされる気がするが、 地域Ruby会議では、Rubyコミッターが懇親会の隣の席に来てくれるので、話の流れで疑問に思っていたことなどが聞けて大変よかったと思う。 もちろんRubyKaigiもいいけど、少人数で実施される会というのもそれはそれでいいものであるなと思った出来事であった。
そういえば、もともとのモチベーションとしてはudzuraさんに会いに行くことであった。 前日に美味しいお店に連れて行ってもらったし、そこでしっかり話し込むこともできた。 翌日も発表を聞いてて、懇親会で軽くフィードバックもできた*4。 それを受けてか、後日のnoteできちんと足りてない部分にしっかりとパッチを当てていく様子は、流石だなと思った次第。 また飲みに行きましょう。