2022年6月30日で8年くらい勤務した会社を辞めます。また今後は研究職を廃業してITエンジニアとして活動します。
現職では、ソフトウェア工学と呼ばれる研究分野の研究開発業務を行っており、 具体的には論文等の調査や追試、社内の便利ツールを作ったり、社内の改善活動に関わったり、論文や特許というかたちで発表したりと、広く雑多なことに関わっていました。 私の取り組みはうまくいかなかったことのほうが多くて、受取り手の方々に迷惑をかけてしまったこともありましたが、一方で期待をしてくれた・関わってくれた多くの人達に感謝しています。
キャリアチェンジの理由は大小それぞれあるし、質問相手によっても返答内容を変えていたのですが、研究職を廃業するということをベースにまとめておこうかなと思います。 「企業のソフトウェア開発をいい感じにする」という研究分野の性質上、所属企業と研究者のキャリアは不可分と感じているため、組織の話も書きます。
退職の理由
- 「10年近くのキャリアにも関わらず、dblpに名前が載ってないって時点で辞めてもいいかな」という一言で表現できる
- 私の立ち位置を考えたときに、本当に有能な同僚たちがいて、その人達が活躍する組織であることを一義としたときに、私のような存在は邪魔であり、後進に譲るほうが組織として適切と感じた
- ソフトウェア工学領域に関心のある私が、ソフトウェア開発のことをどこまでわかっているのかという疑念
- 「ソフトウェア開発の手触り感を得たい」→それなら開発者になるのが早い
- これまでの仕事が全く無駄だったとかそういう気持ちはなく、得たものはそれなりに生きると思っている
- 一方で It doesn't count と言われるような状態でもあるわけで、そこは謙虚にやるしかない
- 参考: 研究の呪い
- 昔、働いていた同僚と再度仕事をしたときに「昔のid:nhayatoさんなら、(新しいツールの導入や改善活動など)こういうことを興味を持ってできてたのに」みたいなことを言われて、アンテナを張ることができていないことに危機感を持った
- 同僚や採用面接者からは私がここ数年置かれた状況は「不運だった」と評されていたが、苦笑いしながらも否定はできないところである
- 不運な状況におかれても、それはそれで我々の仕事は博打なのだから、仕方ないという割り切りはあった。仕事における清貧さというか、腐らずにやるというところは美徳としてあるし、なにより輝かしい状況に置かれることだけが自分のやりたい問題解決ではないという発想がある
- しかしそう綺麗事を言っても、うまく仕事がハマらず、評価されないと卑屈になり、組織のあらが目立つようになり、腕が鈍っていく感覚というのもあるので、このままではマズいなという危機感はわいているところであった。そして情熱もなくなってしまった
人生、わりと死ぬまでの暇つぶしになっているなという感じがあり、直近の面白や積まれてるコンテンツはあるんだけれど、情熱を持てる何かがないという点で、つまらない感じになっている。
— ヨヨイ (@_nhayato) 2021年7月2日
情熱は有限のリソースであることを想う
— ヨヨイ (@_nhayato) 2022年1月26日
「研究、研究」ってめんどくさいなって思ったけれど、一言で言えば「この先もやりたいことを求められるところでやりたいので、ジョブ変えることにするわ!」って感じですね。 ネガティブな記述が目立つ気もするが、ネガティブな理由はきっかけでしかないと思う。ネガティブな感情で数ヶ月転職活動するのは難しいなと感じています。そして、私の場合は大きく見ると表裏一体だなとも思えます。*5
よくある質問
社内転職は検討しなかったのか?
- した。が、他の部署と比較したときに、研究職の待遇が良すぎるので、開発者として他の部署に移動する気にはなれなかった
- 程度は事業部ごとに異なるだろうが、「もうちょっとどうにかならんかな」と思うプロセスが多くて、それに自分が耐えられる気がしなかった
- また、ゼロから経験値を貯めてみるのであれば、違うフェーズの組織に所属してみたいという気持ちがある
また研究職に戻るのか?
- 今のところは全く考えていない
- 所属している学会どうしようかな......
転職活動どうだった?
- こちらをどうぞ: 転職活動のまとめ - ふんわり放牧
次の職場は?
- また別エントリで書く