id:nhayato です.
このエントリは Spreadsheets/Excel Advent Calendar 2018 の22日目の記事です.
私はExcel/Spredsheetに苦手意識がありました. 過去形で「ありました」と書きましたが,今でも苦手かもしれません.
さすがにExcel方眼紙というものの圧を感じることはない日々ですが*1, 多くのささいな業務は,専用の業務システムやWebアプリという高級なものは使われず,Excelを利用して進められます. 「出力されたスプレッドシートを使って何かをする」というときは,そのまま操作せずに, Pythonというプログラミング言語を利用して,処理をすることが多いです.
一方で「スプレッドシートの上で継続的に業務を行う」という場合は,その都度Pythonを経由してというわけにもいかず, Excelの画面と向き合うことになるわけですが,「一体こいつは何ができて,何ができないのか,さっぱりわからない」という気持ちになってしまいます. あとから振り返ると,利用するのに十分な期間を作らずにその場しのぎで対応し,スキルを習得してないからこそそういう気持ちになるのでしょうが, とにかくあの画面と向き合う時は,絶望的な気持ちになることが多かったのです.
私は職場では「チュートリアル実行検定3級」を名乗っていて*2,プログラミング言語やソフトウェアのチュートリアルを行うことが他の人よりも多いと思っています. そこで2016年当時の私は以下の本を購入して,写経してみることにしました. 数多のExcel書籍のなかでこれを購入した理由は,出版社が技術評論社という信頼できそうな出版社であったことと,Amazonのレビューが高かったこと,だったかと記憶しています.
この本のよかったことは,できることを列挙する(cook book的な)書き方ではなく, 「データの種類は4種類」だとか「真っ先に知っておきたい6大関数」というふうに重要な考えから書き始めて,できることを絞って記述している点にあると思います. とにかく最初から最後まで,読んで実行してを行い,だいたいのことは理解できたかなという状態に持っていけたと思います. 具体的な関数名は忘れてしまってもざっくりと「これができるよな」という勘所をつかめたのが大きな収穫で, できることなんてのは,既にあるスプレッドシートなどからはどうしても読み解くのが難しいのですよね......読みづらいし.
逆に「この本に書かれてないことは,別のプラットフォームを使ってやるべき仕事なのかもしれない」と考えることができるようになったことも,ご利益の一つだと思います. この本に書かれている以上に複雑なことをするには,もちろん技術的には可能ではあるが,スプレッドシートでは要求を十分に満たさないかもしれない,という発想を持つことは, 常日頃から自分やチーム,取引先のためにちょっとした技術選定をしている立場からすると,意味のある考え方です.
その他に紹介することがあるとしたら,読書中にふせんを貼っていたことで.
- 重要ショートカット一覧(p.29)
- F4キーで絶対参照のトグルができる(p.64)
- VLOOKUP関数の連続入力(p.119)
- 現在の日付や時刻を簡単に入力する方法(p.149)
- 選択肢が増減することがよくあるリストを入力(p.219)
- 選択肢のマスタ(一覧)を利用して,選択肢をプルダウンで選べるようにするときの話
- 大きな表をスクロールしても見えるようにしておく(p.268)
は,ふせんを貼っておりました.あとから読み返すと思ったのでしょう.今となっては読み返す必要があるのかさっぱりなものもありますが......
このアドベントカレンダーでは, 皆さんがどのような便利機能を利用して,どのような「仕事」を行っているかというところに焦点があたっているエントリーが多かったと思いますが, このエントリーでは趣向を変えて,私がどのようにスプレッドシートの苦手意識を軽減させたか,そしてそのきっかけになった本を紹介しました. 皆さんもスプレッドシートおすすめ本があったら教えてください!
明日は id:side_tana さんです.
追記
「ExcelなんてマジでMSのゴミみたいなマネージャが作ったシロモノだよな」みたいなことをもし思っているのであれば, 以下の記事がおすすめです.
よく考えられているからこそ,いろいろできてしまい,また私を悩ませるのかもしれません.
それでは素敵な休暇をお過ごしください.